♥バレンタインの奇跡♥
「あのね、君の代わりなんて腐るほどいるの」

…っ。
店長の言葉がグサリと胸に突き刺さる。


次の瞬間頭に浮かんだのは雅人のことだった。


『お前の代わりなんていっぱいいるし』


そうか…そういうことか。
私の代わりなんて腐るほどいる。
私じゃなくたって何の問題もないんだ。
つまり雅人にとってもそうだったんだ。
私は雅人にとって、唯一無二の存在じゃなかった。

昨日の光景が頭に蘇る。
自然と握った拳に力が入る。

苦しい…悔しい、哀しい。


目に涙が込み上げる。
今、泣いちゃダメ…泣いちゃダメだ。
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