王子は冒険者になる!

ふぅむ。
セリィは緊張はしているものの確かに『公爵令嬢』だな。
どこか凛と気品が漂っている。

「セリィはいくつ?」
「はい。今11歳です。」

一つ上か。あんまり難しいこと聞けないし言えないなぁ。
ちょっと、言葉を選ぶなぁ。
どうしようかな。

とりあえず、二人になりたいけど
一応 僕も 彼女も いいとこのお坊ちゃん、お嬢さんなんで
後ろに侍女や警備が控えている。

「・・・セーラ。
 少し、離れてくれる?」
「・・・かしこまりました。」

セーラは頭を下げて
セリィが連れている侍女さんと同じように
入口に、並ぶように立つ。

まぁ、これくらい離れていたら大丈夫かな?
アレク兄様みたいに『防音』の魔法とか
仕えたらいいんだけど。

ふぅ。
と一つ息を整える。
そして、出来るだけ笑顔でできるだけ 小さな声で
セリィに話しかける。

「セリィは。僕が『第二王子』だから婚約したのか?
 父である公爵に言われたから婚約したのか?
 それとも、連れてこられたから、お茶しているだけとの認識?」

セリィはきょとんと 首をかしげた。

「あの?」
「だから、セリィは なんで僕の婚約者 という立場を
 受け入れたの?」

セリィの顔が かぁっと赤くなる。
恥ずかしいのか、緊張か、ちょっといまいち解らない。
一応、俺は、自称『エンジェルスマイル』をにっこり、と振りまいてやる。
どうだ?
ちょっとは落ち着いたか?
「セリィ?」
「あの、あのっ。怒らないでくださいまし。
 そのっ。・・・・ひ、一目ぼれでして。」
「え?」

ま、マジか!???

まさかの、純愛 パターーン?!!


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