あなたと私と嘘と愛

色々、ねぇ…

本当に考えてる人だったらこんな非常識なことはやらないんじゃないだろうか?

そもそも彼の書いた脚本が映画化になり、その主演を母が抜擢されたのが2人の始まり。

2人はそれがきっかけで出会い、そして親密な関係に発展し今の状態に至るというのを聞いてる訳だけれど。
いったいどこまでが本当で嘘か、私には分かったもんじゃない。
と言うより分かりたくもないし、関わりたくもない。

彼は基本部屋にこもり自身の仕事に没頭してるけど、朝と晩は必ずご飯を作りに顔を出す。


(本当きっちりしてる…)

そんな呆れに近い感心を覚えつつ、その時間が苦痛でならない。


「やっぱり家政婦ならうーちゃんがいい。お願いまた戻ってきてよぉ」


私が成人したのを区切りにうーちゃんには家政婦を辞めてもらったけど、こんなことならずっといて貰えれば良かった。
判断を間違ったと思う。


「あらやだ、自立したいから一人で頑張る。うーちゃんはもう自由になっていいよと言ったのは貴方じゃなかったっけ?」

「そ…そうだけど…」


< 12 / 471 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop