あなたと私と嘘と愛
優斗の腕の中は心地いい。たくましくて温かくて、それでいて優しさに包まれてる気がする。
どっぷり甘やかされた私は脱力し、バタリと顔を枕に埋める。
「…ごめん、けどもう少し手加減してほしい」
「ん?」
「初心者の私には刺激が強すぎる」
ぐったりしながら呟いた。あの後欲情の波にのみ込まれた私はソファーで一度、そのあと流されるようベッドに移動してそこでも情熱的に優斗からの愛撫を幾度となく受けた。
だから今回のことでよく分かった。優斗の愛情は思ったより体に響くって。
「体がもたないよ…」
「ふっ、俺より若い人が何言ってんの」
可笑しそうに笑われて顔だけを優斗へと向けた。当たり前だけどムスッと膨れっ面で。
「そういう問題じゃないと思うけど…」
「こんなに大事にしてるのに、まだ俺の抱きかたに慣れない?」
「……」
「大丈夫、そのうち慣れるよ。むしろこんなんじゃ物足りないって思うようにしてあげる」
勘弁してほしい。
私の頭を労るように撫で、色気ただ漏れの表情を見せ付けられた私は懲りずに赤面する。
知らなかった。優斗がこんな甘々、いや容赦ない性格だったなんて…
「亜香里が反則的に可愛い反応するから止められなくなる」
「そんなこと…」
「あるよ。可愛くてしょうがない」
後頭部を引き寄せられ、顔を近付けられた私は寝ながらキスをされた。そのまま仰向けにされて、上半身裸の優斗が覆い被さってくる。
すぐさまくすぐったくなるようなキスを数回受ければ全身の力が抜け落ちる。
チュッチュッと可愛らしいキスを終えたあと、やっぱり真っ赤な顔して呟いた。