あなたと私と嘘と愛
「だったら何よ」
「意外…本当なの?」
ますます感じが悪い。
おまけに「どんな人よ?」なんて疑うように聞かれたら当然カチンとする。
まるで私には彼氏なんかできないと言わんばかりの言い方に、私もつい意地になる。
「別に誰だっていいでしょ。私だってね、恋人の1人や2人ぐらいいるわよ。そうね、強いて言うならお母さんが今まで連れて来た人(恋人)より素敵な人よ」
張り合うつもりはなかったが、私だって年頃だ。
なんだか無性にムカついたし、売り言葉に買い言葉。
バカげてるとは思ったが、このまま否定する気にもなれなかった。
「じゃ、私も楽しんでくるから邪魔しないでね」
今度こそ家を出てドアを閉めた。
言った。言ってやった。
何だかスカッとした。
恋人なんてハッタリだが、最後に見た母の間の抜けた顔を見た瞬間とても爽快な気持ちになった。
いつも振り回されてるんだから、これぐらいの嘘は並べてもいいよね?
たまには母に抵抗したい。