月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
もしかしたら、2度と起きないかもしれない。

起きたとしても、普通の生活に戻れないかもしれない。

「いいんだよ、ときわ。」

「紅葉?」

「これは私が勝手にやった事だから、私に何が起こっても、ときわのせいじゃない。」

私が微笑むと、ときわは厳しい顔で、私の肩を掴んだ。


「ダメだよ、紅葉。」

さすがはときわ。

私の親友。

私がやる事を察しているんだね。


「もしこの世界に戻れなくても、私の事忘れないでね。」

「紅葉!」

「ときわ。最高の友達だよ。」

「紅葉!ダメ!!」


ときわの声を聞きながら、私は目を閉じる。

暗い中に吸い込まれていって、やがて柔らかい光が私を包む。


ああ……やってきた。

砂漠の宮殿へ。

そう思ったら、ふとまた暗闇へ引きずりこまれた。
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