月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
気づいたら、宮殿の一室で私は横になっていた。

起き上がって、部屋の外に出る。

「どちらへ行かれるのですか?」

体がビクッとなって、後ろを振り向く。

背が小さい女の子。

「あなたは?」

「ラナーです。」

「ラナー?」

聞いた事がある名前に、顔をマジマジと見てしまう。

「ええっと確か……」

「王女の付き人です。」

頭を下げる仕草一つとっても、気品に満ちている。


そして思い出す。

このラナーって言う子。

確か、ハーキムさんの恋人だ。


「ラナーさん。」

「ラナーとお呼び下さい。」

私はゴクリと、息を飲んだ。

「……ラナー。ハーキムさんはどこへ?」

一瞬、ラナーの表情が曇る。


「知らないのですか?」

「えっ?」

「ハーキム様は、地下牢にお入りになりました。いつ出られるのかは分かりません。」


恋人の事なのに、淡々と話すラナー。

その事に違和感を覚える。
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