月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「そう……です……ね。」

逆にこれだけの急な階段を、ヒョイヒョイ昇っていくなんて。

どれだけ鍛えているのですか。


「ほら。」

ジャラールさんが、手を差し伸べてくれた。

やった!

ラッキー!

ジャラールさんの手を、ガシッと掴んだ時だ。

スッと体を引き寄せられて、私の体はフワッと浮き上がった。


「えっ?」

「俺が抱き抱えて、クレハを部屋まで運ぶ。」

うわ〜〜!!

これは正に、お姫様抱っこ!


「いえ!いいです!自分で歩けます!」

「よい。しっかり捕まっていろ。」

そう言ってジャラールさんは、私を抱えながら、普通に階段を昇る。


「……重くないですか?」

「うん……」

「あっ!やっぱり重いんだ!ごめんなさい!降ろして!」

するとジャラールさんは、すぐ側でクスクス笑いかけるだした。

「クレハ、気にする事ない。大事な人を抱えて行くぐらい、男にとっては当然の事だ。」
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