月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「クレハ。」

「はっ、はい!」

変な想像してたのが、バレたかな。

「クレハも休め。明日も強い日差しの中を移動するぞ。」

「はい……」


私もハーキムさんの真似をして、荷物を枕にした。


頭や頬に、ゴツゴツした物が当たる。

いつも寝ているあのフカフカの枕とは、全く違う。

ハーキムさん、よくこんな物を枕にして、スヤスヤ眠れるな。


「どうした?クレハ。」

こんな時、優しく話しかけてくれるのは、決まってジャラールさんだ。

「あっ、いや。何でもないです。」

だけどジャラールさんは、私の些細な変化も見逃さなかった。


「眠れぬのなら、私と一緒に起きているか?」

私はそっと体を起こした。

「いいんですか?」

「ああ。それに敵が攻めてくるのであれば、夜更けだ。側にいてくれていた方が助かる。」

背中がヒヤッとする。

「て、敵?」

現実にはあまり聞かない言葉に、改めてここは別世界なのだと思い知る。
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