月夜の砂漠に紅葉ひとひら~出会ったのは砂漠の国の王子様~
「クレハ……」

そうよ。

私のせいで、二人が命を落としたり、大事な宝石が奪われたりしたら嫌。

その為には、私も強くならなきゃ。


「クレハ。何かあったら、私とハーキムを頼れ。」

「でも……!」

「いいんだ。クレハは、私達が必ず守る。」

胸がきゅうっとなる。

「ジャラールさんは……」

「ん?」

「どうして、私に優しくしてくれるんですか?」

辺りがシーンとなる。

「どうしてかな。なぜか、クレハを放っておけないんだ。」


くぅ〜〜

普通だったら、この後二人は付き合うようになるような台詞だよ。


「でも、ジャラールさんには、ネシャートさんがいるでしょ?」

一瞬、ジャラールさんの表情が歪んだ。

「……知っていたのか。」

「ジャラールさんを見ていれば、分かります。」

ジャラールさんは、私を見ながら、無理に微笑んでいた。

「まるで私を好いてくれているような、言い回しだ。」
< 99 / 300 >

この作品をシェア

pagetop