まりかの宝石
まりかの名前を呼んで

 「こいつのどこがいいんだい」

 新島(にいじま)さんは困った様に笑った。

 彼とよく似た目元は微かに赤い。

 茉莉花が来るといつも少し困った顔で笑って、少し悲しそうな眼をする。

 整えたばかりのシーツにゆっくりと棗(なつめ)さんが千鳥(ちどり)を寝かせながら茉莉花を見る。

 二人ともすごく優しい、凄く疲れてる。

 茉莉花の顔を見ると悲しそうに笑うけど、茉莉花はここに来るのをやめられない。

 大好きな千鳥の全てを、茉莉花が大切に思っていることを皆とても負担におもっていても。


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