替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「紗季…どうか元気でね。」

「だ、だから…どういうことなの!?」


両親はやっぱり何も答えない。
ただ、悲しそうな顔をして私をみつめるだけ。
そして、私の傍からゆっくりと後ずさりし始めた。



「ねぇ、お母さん!お父さん!
何とか言ってよ!」



涙交じりのその声に、両親は相変わらず何も言わず、ただ、静かに俯いた。



「あ……」

両腕に付けられたバングルが、不意に赤と黄色の眩い光を放ち、目が開けられない程になった。
それは不思議な光で、眩しいだけじゃなく何か泡のようなものに包まれているような感覚を感じた。



「おかあ…さ……」



光の中では声を出すことさえ、困難だった。
私のかすれた声はすぐに掻き消え…



そして、何とも言えない苦しい状態のまま、眩い光がおさまって……
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