替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「なんだ、あいつら…」

「奴ら…リゴレットの奴みたいだな。」

「え?どうしてわかる?」

「剣にリゴレットの紋章が付いていた。」

傍にいた男たちの会話を、私は偶然耳にした。



「あ、あの…リゴレットというのは、どこにあるんでしょうか?」

私は、男に問いかけた。



「リゴレットか?ここからずっと南下したところだ。」

「ソロルの町よりももっと南ですか?」

「ソロル?あぁ、シヴァルのソロルだな?
そうだ。
リゴレットはシヴァルの隣の国だからな。
ところで、さっきの奴らと何かあったのか?」

「いえ…人違いだったようです。」

私は、適当なことを言って誤魔化した。



マリウスは、親友に会いにソロルの町に行くと言っていた。
とにかく、一刻も早くソロルの町に行き、追っ手のことを二人に話さなければならない。



しかし、なぜ、サキが…?



確かに、サキにはわからないことが多い。
記憶をなくしているのだから当然なのかもしれないが、そもそも、記憶をなくすような恐ろしい目に遭ったということだろうか?



それに、彼女のあの腕輪…
あれは、とても高価なものに見えた。
マリウスも言っていた。
サキは高貴な生まれの者かもしかもしれないと。



もっと早くに気付くべきだった。
狙われているのがサキだということに…



しかし、今更そんなことを言っても仕方がない。
とにかく、今は二人に追いつくことが重要だ。
逸る気持ちを押さえ、私はその場から駆け出した。
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