替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
(え……?)
しばらくした時、ざっざっという規則正しい音が聞こえて来て…
私の推測が正しければ、きっとそれは足音だ。
しかも、人間の。
不安と期待が一気に来た。
来た人が善人なら、私はきっと助けてもらえる。
だけど、それが悪人だったら…
不意に頭に浮かんだおぞましい想像に、私は小さく身震いした。
体が痛くて動けない今、どんなことがあろうとも、私は抵抗することも逃げることも出来ない…
恐怖に、思わず涙が流れた。
(神様…どうか、良い人が来てくれますように…!)
初詣の時くらいしか向き合うことのない神様に、この時ばかりは真剣に祈った。
足音の方になんとか顔を向けると、明かりのようなものが見えた。
懐中電灯の明るさとは違う、けっこう大きな火のようなものだ。
明かりはだんだん私の傍に近付いて来る。
「えっ!?」
声と共に足音が速まり、私の傍で止まった。
あたりが急に明るくなり、火の熱さを感じた。
今の声の様子では、それはきっと男性だ。
それも、若い男だ。
私はその人を見ようと、懸命に痛む首を動かした。
だけど、火の影になって良く見えない。
しばらくした時、ざっざっという規則正しい音が聞こえて来て…
私の推測が正しければ、きっとそれは足音だ。
しかも、人間の。
不安と期待が一気に来た。
来た人が善人なら、私はきっと助けてもらえる。
だけど、それが悪人だったら…
不意に頭に浮かんだおぞましい想像に、私は小さく身震いした。
体が痛くて動けない今、どんなことがあろうとも、私は抵抗することも逃げることも出来ない…
恐怖に、思わず涙が流れた。
(神様…どうか、良い人が来てくれますように…!)
初詣の時くらいしか向き合うことのない神様に、この時ばかりは真剣に祈った。
足音の方になんとか顔を向けると、明かりのようなものが見えた。
懐中電灯の明るさとは違う、けっこう大きな火のようなものだ。
明かりはだんだん私の傍に近付いて来る。
「えっ!?」
声と共に足音が速まり、私の傍で止まった。
あたりが急に明るくなり、火の熱さを感じた。
今の声の様子では、それはきっと男性だ。
それも、若い男だ。
私はその人を見ようと、懸命に痛む首を動かした。
だけど、火の影になって良く見えない。