替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
国王がもう諦めかけているというのに、シャルアさんはひとりでこの国を救おうとしてた…



そのことは、私にとても大きな衝撃を与えた。



毒に冒され、相当に苦しいだろうに、それでもシャルアさんはこの国を救おうとしている…



そう思ったら、胸が熱くなって、涙が込み上げて来た。



「シャキア様……」

サンドラさんは、どこか驚いた様子で私を見ていた。



私だって、ちょっと驚いている…
でも、これが血というものなんだろうか?
まだ双子だとか姉妹だとかの実感はないけれど…でも、何かが伝わって来るような…不思議な感覚を感じる。



(きっと、これが私の運命なんだね…)



口には出さなかったけど、多分、私はもうその運命を受け入れる気持ちになってたんだと思う。
私は、王家とは無縁の生活をして来たけれど、そんな私の中にも王家の血は流れてたってことかな。



国のためでも、民のためでもないけれど…
シャルアさんのために、結婚してあげたいと…そんな気分になっていた。



どうせ、フェルナンさんとはもう会えないんだから…
私は、フェルナンさんに捨てられたようなものなんだから…



(フェルナンさん……)



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