替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「本当に国王には私のことを秘密にされるのですか?」

「はい、今はそうするしかありません。」

話した方が良さそうだけど…
シャルアさんには、シャルアさんなりの考えがあるのかな。



「それで…いつ実行されるのですか?」

「あと数日…
なるべく早くに言うつもりです。」







(はぁ~…)



大きなため息が口をついて出た。
隠し部屋に戻って、私は長椅子に横になり、さっきのことを思い返していた。



私は自分の使命への第一歩を踏み出してしまった。
まだ心は揺れてるけれど…
この世界に来た以上、やっぱり何もしないわけにはいかないと思う。



シャルアさんと入れ替わって、体調が良くなったと思われたら…
きっと、王子様との結婚は早くに決まると思う。
そしたら、私はなんとかいう国に行くことになるから、国王や王妃様とはあまり顔を合わせなくなる。
そうなれば、ぼろが出るようなこともないと思う。



(そう…ほんの短い間、バレないようにすれば問題ない!)



そう思ったら、気持ちは少し落ち着いた。
……ほんの少しだけど。



王子様ってどんな人なんだろう?
マリウスさんみたいに格好良い人なのかな?
いやいや、見た目より大切なのは性格だ。
優しい人ならそれで良い。
大巫女アーリアのご神託なんだから、そんな悪い人ではないよね。
うん、きっとそうだ。
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