替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする




「フェルナン…こいつは俺の幼馴染のアンセルだ。」

「アンセルさん、初めまして。
私はフェルナンと言います。
この度はお世話になります。」

「初めまして。僕はアンセルです。
よく来て下さいました。」



数日後、俺はアンセルの家にフェルナンを招いた。
アンセルが聞き込んだことを直接話してもらうためだ。



「それじゃあ、アンセル。
おまえの調べたことを話してくれ。」

アンセルはゆっくりと頷いた。



「まず、サキという侍女についてだが…
サキという名前の侍女はいないようだ。」

「そんな……」

「それから、ロバートの部隊だが…
それは、王女の親衛隊だった。
そこに、デニスという隊員は確かにいた。」

「マリウス…それはどういうことなんだ?」

「あぁ、実はな……」

俺は、関所での出来事をフェルナンに話した。



「そんなことがあったのか!?
なぜ、今まで話してくれなかった?」

「事情がわかるまで、あんたを心配させたくなかったんだ。」

「そんな配慮はいらない。
サキに関することはすべて教えてくれ!」

「あぁ、そのつもりだから、今日はここにきてもらった。」

フェルナンは、苦い顔で小さく頷いた。



「それから、王女のことなんだけど…
王女が、今、静養に出てるのは本当みたいだ。
どのくらいいるのかは、残念ながらわからなかった。」

「マルセル…なぜそんなことを調べたんだ?」

「実はサキは、城に連れられて最初に王女の部屋に連れて行かれたんだ。」

「なんだって!?」


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