替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする




「シャキア様…そんなに気になられるのですか?」

「……え?な、何が…?」

「何がじゃありません。
先程からぼんやりして、溜め息ばかり吐かれているではありませんか。」



確かに、フェルナンさんのことは気になっていた。
でも、そんなにぼんやりしてたなんて…



「ご、ごめんなさい。」

「何も謝られるとはございませんが…
ですが、もうあのような者に心を寄せるのはおやめください。」

「そういうわけじゃないんです。
フェルナンさんは、私を救ってくれた恩人です。
フェルナンさんが、私を助けてくれてなければ、私はどうなっていたことか…だから……」

「わかりました。あの者には、それ相応の褒美を取らせておきましょう。
……それでよろしいですね?」

「……はい。」



私にはそう言うしかなかった。
私はもうサキじゃないんだから。
フェルナンさんにしてあげることは、もう何もないのだから。



マリウスさんは、明日にでもガザンに向かって旅立つと言っていた。
いよいよ、本格的に再興に取り組むんだろうね。
そうなったら忙しいだろうけど、本当にフェルナンさんの家には行ってくれるのかな?
ちょっと心配だけど、今は、マリウスさんを信じるしかない。



(どうか、フェルナンさんがみつかりますように…)



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