替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする




「舞踏会ですか。
それは良ろしいですね。」

私は、早速、舞踏会のことをサンドラさんとシャルアさんに相談した。



「シャルア様のおっしゃる通りです。
舞踏会でお元気な姿をお見せになれば、他の国にも王女がお元気になられたことが広まります。
それは、国にとっても良いことだと思いますよ。」

「そうですね…
では、明日、陛下にお話いたします。」

もちろん、心配や不安はあるけれど…
でも、きっとこれはやるべきことなんだと思う。



「ルーサー様とマーカス様も呼ばれるおつもりのようです。」

「そういえば、ヴァリアンからは、まだ、どちらの王子と結婚するかの報せはないのですか?」

「はい、まだのようです。」

「えらく遅いですわね。」

そっか、私も遅いとは思ってたけど…本当に遅いんだ。



「もしかしたら、陛下もそのことを早くお知りになりたくて、お二人を呼ばれるのかもしれませんね。」

「まさか…王子達はシャキアに決めさせようとされてるのでしょうか?」

「まさか!?」



そんなことはないとは思うけど…
でも、どんな人達なのかはやっぱり見てみたい。
私がどちらかを選べるのなら、それも良いかもしれない。
自分で選んだ人ならば、たとえうまくいかなくても、納得がいくから。
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