替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
「何?まだ結果が出ておらぬのか?」

「はい、いくらなんでも遅すぎます。
もう、魔法使いたちに任せてはおけません。私達で決めた方が良いのではありせんか?」

夕食の際に、私は陛下に進言した。



「二人の間で、話し合いがついたのか?」

「やはり、私がシャルア王女と結婚するのが良いと思います。」

「兄上、またそんな勝手なことを。
私と結婚した方が、王位継承面でもリゴレットには都合が良いはずです。」

「だが、私の方が彼女とは良く気が合う。」

「それは兄上の主観に過ぎません。私もシャルア王女とは気が合います。」

マーカスは相変わらず少しも引かない。



「なんだ、少しも変わっていないではないか。
二人がそんな調子で、どうやって決めるというのだ?」

「マーカス、兄の言うことには従うべきだ。」

「残念ですが、そうは参りません。
兄上こそ、今回は私の言うことに折れて下さい。」

「そうはいかん。」



「もう良い、そこまでだ。
そなたらの言い合いは聞き飽きた。
魔法使いの神託を、もう少し、待ってみるしかないようだな。」



マーカスのせいで、結局、この話は決まらず、魔法使い達の結果をさらに待つことになってしまった。
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