替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする




「そうですか、ついに決まったのですね。」

「はい、本当に長かったです。」

「こちらで婚礼の儀を執り行うということは、やはり、マーカス様なのでしょうか?」

「はい、私もそうじゃないかと思います。」

「しかし、はっきりとそうおっしゃらないということは、意外とルーサー様だということもあるのかもしれませんよ。
婚礼の儀をこちらで済ませ、ヴァリアンではまたあらためて皆様にお披露目されるということだってあり得るのですから。」



サンドラさんの話を聞くと、確かにそうかな?って気もしてしまう。
まぁ、どちらかはともかく、結婚が決まったことだけは間違いない。



お城の中は、婚姻の儀の準備で大わらわだった。
ドレスは出来ているとはいえ、その他にもいろんな準備が必要みたいだ。



慌ただしいお城の様子を見ていると、私もなんだかとても落ち着かない気分になった。
私が焦っても仕方ないんだけど、ようやく結婚するんだって気分になって来て…
これが、良く聞くマリッジ・ブルーってやつ??
なんだかよくわからないけど、日々そわそわして、眠れない夜が続いた。



そして、ついに、その日がやって来た。


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