替え玉の王女と天界の王子は密やかに恋をする
ガザン王の剣




「え!本当に良いんですか?」

「あぁ、今日は特別じゃ。」

グラスに注がれたお酒に、マリウスさんは上機嫌だ。



(うん、美味しい…)



果物っぽい良い香りのするそのお酒は、ワインに近いような気がした。
フェルナンさんは、神妙な顔をして舐めるようにちびちびと飲んでいた。
もしかしたら、お酒は苦手なのかな?
テーブルの上には、いつもとは違い、たくさんの料理が並んでいる。



「それにしても、おまえさん達、本当に良く働いてくれたな。
ありがとうよ。」

にこやかな顔でそう言いながら、おばあさんはマリウスさんのグラスに、酒を継ぎ足した。



いつの間にか、ここに来て一か月が過ぎていた。
最初はどうなることかと思ったけれど、ここにいる間に私の家事の腕前は、少しは上達したと思う。



「えっと……ガザン王の剣の在りかは教えてもらえるんでしょうか?」

マリウスさんがおずおずとした口調で訊ねた。



「あぁ、もちろんじゃ。
わしは嘘は吐かん。」

そう言うと、おばあさんは懐から丸めた何かを差し出し、マリウスさんに手渡した。



「……これは?」

「ガザン王の剣の在りかを示した地図じゃ。」

「えっ!?」

マリウスさんは、慌てた様子でそれを広げた。
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