あの夏に見たあの町で


翌日、朝7時に駅に集合すると、空港直通の電車に乗り、飛行機で北の地へ降り立った




いきなり国外じゃないだけまだマシか...




ひとつの施設にかかる期間は半年から一年




その日から5年間は本当に帰る暇もなく国内・国外を仁科さんと共に転々とした




仁科さんから学ぶことは沢山あって、俺達をさらに成長させた






しかし、世界的な経済ショックや世界各地での災害の影響もあり、待てど暮らせどジジイから帰ってこいという言葉はない




それどころか、次から次へと出てくる立て直し施設






6年目に入り、俺と悠貴は仁科さんとは別々に立て直しへ回った





その頃はカナダにいて、一度だけ宿泊プランの金額の設定変更のために本社の担当直通に電話をした




何コールかしてもなかなか出ない相手に苛立ちも感じ始めた頃





“総務統括部、高山です”とフランス語で電話に出た女性に“遅い”と苛立ちを口にしてしまった




“申し訳ございません。担当者がまだ出勤しておりませんが、私でお伺いできることでしょうか?”





冷静に返してきた相手に対して、文句を言った自分が恥ずかしくなった







< 52 / 102 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop