幼なじみとナイショの恋。
茜先生には申し訳ないけど、今の私に見せる相手なんかいないし。
ただ虚しい気持ちになってしまうだけだから。
……はるくん、今頃何しているかなぁ……。
ぼんやりとそんなことを考えて、ハッとする。
「もぉ〜〜!隙あらば考えようとするんだからこの頭は!」
ペチンッと両手で額を叩く。
「はぁ……」
もう、癖になっているんだ。
部屋で一人になった時に、ついはるくんのことを考えてしまったり。
嬉しいことや楽しいことがあれば、はるくんに伝えたくなってしまったり。
悲しいことがあれば、心の中ではるくんを呼んでしまったり。
いつだって、心の中にははるくんがいた。
それなのに、彼との関わりがなくなったからといって、すぐに割り切れるわけがない。
時間が経てば、こんなこともなくなるのかな?
私の心から、はるくんが消えることはあるのだろうか。
そうなったら、私の心はどうなってしまうんだろう?
私の心の中のほとんどを占めていたはるくんが消えてしまうのだから、私の心なんて、なくなったも同然なんじゃないだろうか。
────ヴーヴー。
机の上に置いたままのスマホが振動する音が聞こえてきて、覆っている手の下で眉を寄せる。