いつか、眠るまで
「あの…」
「なに?」
「本当にいいの?送ってもらっちゃって」
「さっきも言ったろ。俺が送らないと気が済まないだけだから。むしろ感謝したいのはこっち。」
「…うん」
少しだけ、胸が高鳴る。
早く、一人になって落ち着きたい。
早く、帰りたい。
自分の部屋に
一分でも
一秒でも
早く
でも
何か、違う感情が
それを邪魔してくる。
「ありがとう」
本日2度目の無表情でのお礼。
「どういたしまして」
彼はにこやかにそう言った。
なんで、この人は私と付き合ったんだろう。
病気のこと、知ってるはずなのに。
なんで、引いたりしなかったんだろう。