いつか、眠るまで








───結局、フルコン余裕だと思っていた私は二回程ミスし、楠木くんがフルコンだった。



「よしっ!これで花園っちの仇は討った!」



仇討ちなんてしてどうすんのさ。



人の心に少しずつ入ってくる人というのは、楠木くんのことを言うのかもしれない。



私はいつの間にか、気楽に楽しんでいた。













「あ、もうこんな時間だ!花園っち門限何時?」



「七時」



「おぉ、遅いねぇ。」



そりゃ、夏だもん。



「楠木くんは?」



「え、それって心配してくれてる?」



聞いただけだよ。



……けど。



「どうして楠木くんって、そんなにポジティブなの。」



彼のポジティブに、思わず笑ってしまった。



「花園っちが笑った!」



まるでツチノコを見るような目だった。







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