いつか、眠るまで
次の瞬間、耳に入ってきたのは目覚まし音。
「…んっ……」
右手で目覚まし音を消し、重い瞼を開ける。
「……夢、か。」
私の余命も、この病気も、全て夢だったらよかったのに。
「おはよう、お母さん。」
お父さんは毎日、私より早く起きて会社に行っているため、私が起きる頃にはもういない。
「おはよう、未亜。調子どう?」
お母さんは朝、いつも決まって聞いてくる。
「大丈夫だよ。時間ないからもう行くね。」
「はーい。薬持った?」
「うん。いってきまーす。」
様々な表情の仮面をつけて、家を出た。