恋する乙女~パーフェクト王子VSヤンキー王子~

「蓮先輩は…本当は、しきたりを守るため
だったのですか?
雅先輩に変装してまで守ったこと」

私には、そうではないような気がする。

蓮先輩は、雅先輩を大切に
思っていたはずなのでは?

「……最初は、無理やりでも
そうなるしかなかった。
嫌々にやってさ。でも…」

「……でも?」

「変装して名前を呼ばれて
雅が生きていると思われてる時は
本当に生きてるように思えてな」

そう話す蓮先輩は、とても
切なそうな表情をしていた。

「蓮…先輩」

「笑っちまうよな。
雅は、死んでいるのに…生きていると思うなんて」

「生きてますよ!」

「はぁっ?」

私の言葉に驚いた表情をする蓮先輩。

< 214 / 392 >

この作品をシェア

pagetop