君と特別な日を過ごす方法 ~長谷川誠の苦悩~
すぐに飛び出して車に乗り込み、莉乃の部屋へと向かう。
合鍵を持っているのに、チャイムを押しまくっている自分にハッとした。

「どうぞ」
すぐに声が聞こえてセキュリティの解除の時間すらもどかしくて、俺は走り出した。

本当に、莉乃の事になるとカッコ悪くて仕方ない。

ガチャッと目の前の扉を開けて、すぐそこに莉乃の姿を確認すると思い切り抱きしめた。

「ごめん……」
そこまで言って、俺は我に返った。結局俺はどうするんだよ?なんて言い訳をする?


「あっ、思いだしたんだ」
クスリと笑った莉乃に俺は小さく息を吐いて、そっと莉乃の顔を覗き込んだ。

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