イジワル専務の極上な愛し方
ホテルに着くと、エントランスで車を降りた。係りの人が駐車場へ移動してくれるらしく、私たちはさっそく店へ向かう。

暖かみのある暖色の明かりのホテル内は、お客さんで賑やかな雰囲気だ。

ロビー奥にはカフェらしき店があり、グランドピアノの生演奏がされている。

噴水があり目を引くほど、綺麗なオレンジ色の明かりで照らされている。さらに、高級ブランドのテナントまで入っていた。

「彩奈、こっち」

「はい……」

翔太さんは私の手を取ると、足早にエレベーターに向かう。

社長と会うお店は、ここの十五階にあるフレンチレストラン。

権威あるフランス人シェフが経営するお店で、何度もテレビや雑誌で取り上げられていた。

エレベーターでは、他のお客さんとも一緒になり、会話がしづらい雰囲気……。

といっても、二人きりでも会話ができたか怪しいくらいに緊張しているけれど。

すると、翔太さんがより強く、私の手を握った。思わず彼に視線を上げると、小さく微笑んでいる。

「大丈夫。俺がいるから」
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