イジワル専務の極上な愛し方
◇ ◇ ◇
由奈の言葉は、私の心にどこか引っかかってしまっていた──。
「なに熱心に読んでるの?」
朝、秘書室のデスクで経済誌を眺めていると、ふいに専務に覗き込まれ慌てて本を閉じる。
「お、おはようございます専務」
専務が入ってくることに気づかなかったなんて、失敗……。バツ悪い思いで立ち上がると、彼は雑誌を取り上げた。
「これって、たしか俺のインタビュー記事が載ってたよな?」
「えっ? そうでしたか……?」
と、驚いてみせたけれど、本当はだから読んでいたのよね……。
由奈たちと先週末に会ってから、専務が載っている経済誌が気になって買ってしまった。
とぼける私に、専務は意地悪そうな視線を向けている。
「読んでたろ? 気づいてるよ。なんで、とぼけるんだよ」
気づいてたんだ……。どうしよう。なにか、もっともらしい理由をつけて、この場を切りぬけないと……。
気まずい気持ちでいっぱいの私の頭を、専務は優しく叩いた。
「別に、見たって構わないんだからさ。なんで、そんな距離を置こうとするの?」