イジワル専務の極上な愛し方
「当たり前よ。彩奈は知らないの? たまにテレビでも取り上げられてるし、経済誌にも載っているのよ」

「そうなの⁉︎」

思わず驚くと、美香が呆れたような顔をしている。

「そういうところ、相変わらず鈍いのね。有名なイケメン御曹司三兄弟。その次男なんて、美味しいじゃない」

「お、美味しいって……。私は、秘書として以上に、専務を見てないけど」

そもそも女性関係が派手そうだし、私はそんな彼についていけるだけの華やかさもない。

どちらかというと、小柄で印象に残らないごく普通のルックス。

そんな私が、専務を男性として見るなんて考えたこともない。ただ、カッコイイと思う瞬間くらいはあるけれど……。

「そんなこと言わないで、せっかく近くにいるんだし、本気で狙ってみれば?」

由奈が楽しそうにそう言うと、美香も大きく頷いている。

「無理よ、無理。だいたい、私と専務が釣り合うと思う?」

専務は誘いのほとんどを、二回目には断っているような人なのに。私のことを、一瞬でも本気で考えるとは思えない。

「案外釣り合うかもよ? ああいうハイスペックな男性って、派手な女性を好まないこともあるじゃない?」
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