生真面目先生のちょっと大人の恋の話
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次の日から学校でも、将人とは型通りの挨拶をするだけになった。

本来は、こういう始まり方をしなくてはならなかったのだ。

担任室に居る時も廊下ですれ違う時も、身体が近くにあってもすべてが遠くに感じる。

初めの2,3日はいつもの笑顔で将人が声を掛けてくれるような気がしていた。

でもすぐに私はそれを諦めるように、自分に言い聞かせるようになっていた。

「そう言えば最近吉永先生は保健室に来なくなりましたね。」

保健室に寄った私に、横田先生はそんな事を言った。

今日福田先生は一日出張との事だった。

「それに一ノ瀬先生もここに寄る回数が減っていますよね。」

「そうかな、新学期は忙しいから。」

私は表情が引きつっている事を自分で感じながら言った。

私は自分の事を聞かれるのを避けるように、横田先生に話を振る。

「宏弥とはどう?」

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