生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「やっぱりおかしい。」

私は思わず鞄を持って立ち上がって外へ出た。

もしかして将人に何かあったのではないか…。

こういう時は悪い方向にばかり考えてしまう。

昼間の保健室の状況から、遅くなるならちゃんと将人から連絡が来るはず。

仲直りをするはずなのに、やっぱり変だ。

時計を見ると、もう10時だ。

学校にそんなに遅くまで残る必要があるとは思えない。

でもこんな時、一体どこを探したらいいんだろう。

私は立ち止まった。

確か、将人はウォーキング大会の公園のそばに住んでいるはず…。

私は駅まで走り出す。

電車で2駅、それは長く感じた。

夢中でここまで来たが、ひっそりとした夜の公園は少し怖い気がする。

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