生真面目先生のちょっと大人の恋の話
衝動的に家を飛び出して来た私はそこで我に返った。

「何しているんだろう、私。」

それでも私はゆっくりと周りを見回した。

急に自分に暗闇が迫ってくるように感じる。

私はぎゅっと目を閉じた。

どうしたらいいんだろう…。

あれっ…、どこかで人の気配がする。

私はその気配の方に目を向けた。

今は青々と生い茂る木の方を私は見た。

それは桜の木、その下で将人にふくらはぎを冷やしてもらった場所。

ちょうどその辺に人影があるような気がする。

「将人…?」

でも一人じゃないようだ。

私は暗闇の中の二人を少し離れた所から目を凝らして見る。

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