生真面目先生のちょっと大人の恋の話
私はそんな将人の顔を見ていられなくて、目を伏せる。

「好きな女に拒否されたから会わないなんて、俺には出来ない。」

将人は立ったまま、座っている私を抱き寄せた。

「…あの日に行けなかった事だけを怒っているわけではないんだろう?何がそんなに朝弥を頑なにさせてしまったんだ?」

あんなに遠く感じていた将人がこんなに近くにいる。

自分から拒否していたくせに、この温かさを恋しく感じるのは矛盾しているだろうか。

やっぱり何も言葉を発しない私に将人はまた溜息をついた。

「ダメだ、時間が足りない。今日はこの話の続きをしに行っても良いか?」

私は顔を上げて、じっと将人を見つめるばかり。

「まるで初めて出会った時みたいだな。やっと信頼されたと思ったのに、元に戻ってしまったんだな。」

将人は優しく私の頭を撫でた。

「とにかく今夜は家に入れてくれ。」

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