生真面目先生のちょっと大人の恋の話
やっぱり、道理でここに来てから穏やかに話が進んだなと思った。

私は慌てて保冷剤を冷蔵庫から取り出す。

タオルにくるんで、将人の後ろに立つ。

そしてそっと保冷剤を頬に当てた。

「ごめんね、将人。」

将人は私の手に自分の手をそっと添えた。

「今度は俺が冷やしてもらう番だな。…あの時から俺達は始まったんだな。」

将人が私を見上げる。

私は氷で冷やしてもらったふくらはぎに意識がいく。

「宏弥も頭ではちゃんと分かってくれているんだ。でもやっぱりすんなりOKは出せないんだろうな。」

将人が笑うと、私が持っている保冷剤も震える。

「あいつ、手加減しないんだぜ。俺はおかげで吹っ飛んだんだ。」

将人は私にもっと近づくように合図する。

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