生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「えっ?」

将人が私の手から保冷剤を取り上げる。

「朝弥と一緒に居るためだったら何でもするさ。」

私は将人の首に腕を回す。

「ありがとう…。あの時逃げ出してごめんね。」

私は将人の耳元で囁く。

将人の耳が少し赤くなったような気がする。

「俺は諦めなくて良かった。」

将人は私を感じているようだ。

「実はあの後、大会に問い合わせたり、どこか分からないまま2つ先の駅をうろついたりした。」

これは初めて聞く話。

「でも全然朝弥の手掛かりはなくて。でもそんな事をしなくても俺達は再会する運命だったんだな。」

「まさか職場が一緒だなんてね。」

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