生真面目先生のちょっと大人の恋の話
「俺と朝弥の時間を邪魔するな。」

まるで駄々っ子のような事をいう宏弥に、私には笑みが浮かぶ。

「俺も朝弥との朝の時間を過ごそうと思っているんですけど、なっ、朝弥。」

どうも宏弥にとって、将人は天敵のようだ。

ムキになればなるほど、宏弥は将人に勝てない。

「俺はまだあんたの事を認めてないから。」

私を真ん中に男達は何かを言い合っている。

「別に宏弥さんに無理して認めてもらわなくても、朝弥にさえ分かってもらっていたら良いんです。」

30歳の男女が並んでわいわい言いながらウォーキングをしている姿は、他の人からはどう見えているんだろう。

私は素知らぬ顔で自分のペースで歩いて行く。

そのうち二人が立ち止った。

私は無視を決め込んで、そのまま歩いて行く。

もう勝手にして下さい。

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