憧れのアナタと大嫌いなアイツ
少々俯き加減でドアを開けると心配そうな顔の藤堂室長が立っていた

「倒れたのかと心配した」

頭をポンと撫でると

「スッピンも懐かしいな」

頭に手を置いたまま少し屈んで目線を合わせる

ーー近いーー

いつもより距離を詰める藤堂室長

本当は2歩は後退したい気持ちをグッと堪えて吸い込まれそうな長い睫毛に見惚れていると

「さぁ、冷めるから食べよう」

手を引かれてダイニングテーブルで向き合った

イメージに反してお出汁香る和食の朝食に
お腹がグゥと鳴った

「ほら、腹の虫も催促してる」

クスクスと笑う藤堂室長に釣られるように
笑ったものの・・・
恥ずかしくて頰が熱い

「あ、あの・・・どうして私は藤堂室長のお宅で寝てたんでしょうか?」

質問しながらも具沢山のお味噌汁に目を奪われて返事を待つ前に一気に飲み干してしまった

「お代わり注ごうね」

サッとキッチンへ立つ藤堂室長を目で追うとそれに気づいた藤堂室長は

「それはね・・・」

目の前に座ると
顎の下に両手を置き
思い出すようにクスッと笑った





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