憧れのアナタと大嫌いなアイツ

「これは、オフレコなんだけど・・・
来期に異動が決まっている」

突然の告白に頭が真っ白になった

「とは言っても本社の中だけどな」

薄く笑う室長を見て少しホッとする

「で、何が言いたいか・・・」

そう言うとハンドルから手を離して身体ごとこちらを向いた

「花乃ちゃんが自分に好意を寄せてくれていることは分かってた」

突然のことに焦って心拍数が上がる

「いくら社内恋愛を禁止していなくても同じ部署で働く以上はこれでも室長として我慢してきたつもり」

我慢って・・・?
片想いを続けてきたつもりが違うってこと?
頭の中が混乱して繋がらない

「必要以上に接触しないように気をつけていたし【妹】と口にすることで自分への自制としてたんだ」

自制?我慢?
その先の答えが知りたくて室長へ視線を合わせると

フーッと長い息を吐いた後に

「花乃ちゃん、俺は君が好きだ」

仕事モードとは違う柔らかな笑顔を纏った室長はそう言うと耳を赤く染めた








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