殿堂入りの君は、俺のもの

　すると美沙は、俺の予想通りの行動を取った。眼鏡を取って、拭き始めたのだ。それも丁寧に。美沙の眼鏡を取った素顔が、俺や例の三人の前で晒される。

　傍らで、息を呑む音が聞こえた。俺はちらり、と三人の方を向く。三人は例外なく、驚愕の面持ちをしていた。

「……うそ」

「ヤバくね？」

「ありえない……美樹ちゃん、いや由香ちゃん以上……？」

「ダントツ一位じゃね……？」

　その言葉を聞き、俺は無言で不敵に笑った。

　馬鹿じゃねーのかこいつら。まだそんなこと言ってんのか？

　ランキングの対象外なんだよ、美沙は。少なくとも、俺にとってはね。

　大事なのは、美沙なのか、そうじゃないのか。俺にとって、美沙以外の女の子になんて、何も感じないんだよねぇ。

「そんなに汚れてるかな？」