異世界トランスファ
1分がやたらと長く感じる。


さっき行ったばかりなのにセンリの姿が見えない事に不安でいっぱいだ。



「早く戻ってきてよお・・」


と祈りを込めて待っていると



「おい、お前たち」



びくっ


背後から声をかけられた。


「はい?」


ナギが一歩前に出て私を隠す。

ナギの目の前には警備隊の男が3人立っていた。



「あちらの様子を伺っている様に思えたが?」


「解放軍について何か知ってるんじゃないか?」


「これは・・お前達さがれ!!」


最後に偉そうに話しかけてきたリーダー格の男が、ナギの顔を見るなり驚いている様だった。

そして跪いた。



「マガナギ様!?国王がどうしてこのような所に・・」


へ?マガナギ?国王?

ナギが?



ナギはそれを聞いても表情を変えず、言葉を返した。



「は?人違いじゃねえ?俺は一般市民ですけど」


と使い慣れてない敬語で言った。


「いや、先日城でおみかけして・・もしやお忍びで?」


「だから違うって」


「いや、その顔だちは間違えるハズございません」


「は?耳悪いの?違うって言ってんじゃん」



どんどんイライラして態度が悪くなっているナギ。


私は後ろで冷や汗を流す事しか出来ない。


ナギーーー!!事を荒立てるのだけはやめてーーーーー!!!


と懇願した。




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