異世界トランスファ
その会議室は城に似合わず、防音設備のしっかりとした洋室だった。

声も全然響かない。

外に漏らさないようにだろう。


中に入るとツカサさん達4人がすでに席に着席をしている。


「あ、ヒオリ。こんばんわ」


「皆さんこんばんわ」


挨拶をして、近くの席が空いていたので座る。

私達が着席をすると、王は一番前に鎮座した。


勝手な想像なんだけど、普通国の会議って大臣とか、偉い人達も交えてやったりするんじゃないの?


部屋の中には私達3人とツカサさん達4人。

それに東から来たイタルさんと仲間3人。

と王だけ。


部屋の外には王の近衛兵が待機しているみたいだけど、中には入って来ない様だ。


私は首を傾げてギンを見た。


「会議ってこんな感じなの?」


「ほぼ身内だな。王の計らいかな?センリの事もあるし」


なるほど。

と納得をしていると、ほどなくして会議は始まった。


進行役などいないので、もちろん王がしきる。


「センリが居なくなってから一週間と少し経った訳だが、その者イタルと申したな。ギンの家にあったセンリの私物全て持参、ご苦労だった」


「は。全て、滞りなく」


なるほどそういう事か。

と私やギン、ナギは頷く。


「私の方でも城にあるセンリの書斎を改めた。手がかりになりそうなものをココへ用意した」


手がかり!!


私達はきっと同じ気持ちだ。

期待に目を輝かせている。

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