異世界トランスファ
センリは緊張を解くと笑顔で人差し指を立てた。


「あとね。シルバーホークって言うダサい名前のチームがいてね」

「え・・ダサい・・」

「ダサいの?ん?」


皆首を傾げてセンリの話を聞いた。


「まあ、俺とトキワ様とツカサしか知らない隠密衆なんだけど。
強いて言うなら、ギンとゆかいな仲間達的な存在」


「ギン!?」


「え・・じゃあダサ」


「ナギ酷いっ」


けど、私も笑ってしまった。


センリはその様子に楽しそうにしてるけど、内容はいたって真面目だった。


「うん。危険を顧みずに南の城へ潜入したり、研究所を探ったりしてくれてる」


「ギン・・達が・・?」

「俺も南の王が怪しいと思ってたんだけど、まだ黒幕の確定は出来ない。違うかもしれないし。
それと近くの大きな建物、それを探ってくれてる。ギンは装置の大きさも把握してるから、それが入る建物を洗いざらいね」


「・・なんで・・」


ギンとカサネさんの言ってた仕事ってそれだったの?

時空転送装置と黒幕を探すことが?

凄く危険な事なのに。

それにあの時もう、『めんどくさい』って・・言ってたのに。



センリを見つめると、にっこりとほほ笑まれた。


「トキワ様の配下ではなくなったけど、やる事はやるね。あの男」


「センリ・・」


どういう意味?

辺りを見回すと、何故か皆同じ笑顔だった。

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