ヒロインの条件

「あ、おはようございます!」
私は元気一杯に挨拶をした。

「おはよう。今日は昨日と打って変わって元気そう。落ち着いたの?」
そう問われて、気持ちはそわそわしてて落ち着いてはいないけれどと思いながらも「はいおかげさまで」と返事をした。

冷房対策の薄手のカーディガンを椅子の背にかけると、鈴坂さんは椅子に腰掛けながら「2時からシステムメンテが入るって」と言った。

「最近仕様が変わったからですかね」
私はパソコンのログイン画面を見つめながら言った。

『ブライトテクノロジー』は、ソーシャルネットワークサービスの提供をはじめとする実にあらゆるネットワーク関連サービスを提供している中でも、外部SNSとスケジュールの連携プログラムが有名で、多くの会社がこのシステムを採用している、らしい。

私にはなんのことやらさっぱりだけれど、とにかくこのシステムを社内でももちろん採用していて、テスト運用も兼ねたマイナーバージョンアップがよくあるのだ。先日割と大きなバージョンアップがあったらしく、細かな不具合もあったから、そのメンテナンスっていうことなのだろう。
< 40 / 197 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop