諦めたけど好きです
片思いは挑戦


さてさて。皆さん!今日は待ちに待った文化祭です!!


イェーイ!!



と言いたいところなんですが、お忘れかもしれませんが前に私は、『意外な一面を見せてポイントup作戦』を考えていたのだが。
見事にホモや、ドSや、バカな人たちに邪魔されたのでなにもできませんでした!!


ちなみに、前に秀が中二病化した帰りは光樹に引きずられて帰りました。



まぁ、後悔するのはあとでもよい。

今日は文化祭!!
ありとあらゆる女の子が、まだかまだかと告白されるのを待つ日!

または、好きな人と仲良くなれるチャンスの日!


頑張るぞー!!!






現実はうまくいかない。




「秀くぅ~ん。一緒にぃまわろ~!」

「あぁ、いいけど…」



……………………………え?


ん?………ちょっと待て?ん?


なにあの可愛い子。え?めっちゃ仲いいじゃん?あの二人なんかいい感じじゃね?

「やったぁ!どこ行く?」

可愛い子が秀とくっつく。
秀の顔がかすかに赤くなる。



「○◎★※▽◇▼◆°∴∑⊿э‰〓!!!!o(T□T)o」

※那奈の叫びです


「ん?那奈?ちょっと落ち着いて?顔文字のところしかわからないよ?」

海里が優しく聞いてくれる。


「先生!私はどうなるんですかぁ!?もうダメなんですか!?先生!」

「ん?なんのプレイだい?これ?」

そして海里が秀たちに気づいた。


「あぁ、そういうこと。それで那奈はこんな状態になってんだ。」


「ぐわぁぁぁぁぁぁん!」

「那奈。せめて、えーんって言って泣いて?みんなその泣き声聞いても、うなってるようにしか聞こえないよ?」

てか俺、何回つっこめばいいの?と海里は喋ってるようだが頭に入らない…


まさか………恋のライバルが出現するとは……


「なぁ、うなり声が聞こえたんだけどお前か?」

ひょこっと顔を出したのが光樹だ。

この野郎、 うなり声=私 にしないでもらいたい。

「そうだよ。」

私の変わりに海里が答えた。

「どうしたんだ?」

海里が秀たちの方を指差した。

「なるほど。」

そう言うと、光樹は私の腕をつかんだ。

「まわる奴いなくて、一人なのか。仕方ねぇ、一緒に回ってやんよ。」

「……え…」

「ちょっと待って!!??光樹くんは俺とまわろうよ!?」

「やかましぃ!」

光樹が早足で逃げる。

気をつかったのかな?鈍そうだったのに…



私は光樹とまわった。

そして今度は私達がお化け屋敷で働く時間だ。



えっと……バンパイアの衣装は…

少し衣装に戸惑ったが、問題なくはじまった。


が、お客が来て私をみるなり

「キャァァァ!」

と叫ばれたので、どうした!?と聞いたら

「チョーカッコいい!!」

「どこのクラスの男子?」

「彼女いる?」

「私の血なら存分にどうぞ!!」

などと女の子から質問攻めになった。

女の子だけじゃなく、男の子からも「イケメンじゃん!」
とか言われた。



性格は女の子みたいではないと自覚しているが…外見もか?



かなり落ち込んだ。


そしてとどめの攻撃がきた。


「あれ?那奈じゃん。」

「だぁれ~この男?」

秀たちがきた。




だぁぁぁぁぁ!?この野郎!?

近くで見ると、本当に可愛い子だ!目は大きいし、小顔だし、髪さらさらだし!

もう、外見で勝てる気がしない!


「や、やぁ秀。………そこの可愛い女の子は?」

「あ、こいつ?俺とおんなじクラスの姫川 ユリナだよ。」

「プラス、秀君の恋人~!」

はぁぁいい!?

「いやいや。ちげーし。」


いやいや。なんかイチャイチャしとるがな!?

挑発されとんのかしらわたくし!?


怒りで言葉が変になってきた。


「……ん?待って。もしかしてこの子女の子?さっき秀君、那奈って言ってたよね。」

「え?そうだけど…………まぁ男に見えても無理はないな。」

「はぁ!?うるさい!正真正銘の女の子です!」

ぁ…こういうところで、「ひっどぉ~い。」で笑えないからなんだろうな。


「じゃぁまた、頑張ってな。」

「バイバーイ。那奈さん!」

早く帰ってくれ…と思ってるとその時


『ガララッ!』

壁に立ててあった、お化け屋敷のセットの木の板が秀とユリナちゃんに崩れてった。

「!危ないっ!!」

「「え?」」


『ガガタガタカダ!!!』




「………っイテッ……」


とっさに体が動いた。

秀は少し奥にいたので手で押しただけで避けられたが、ユリナちゃんは押しても避けられる距離じゃなかった。


だから…庇った。って言う体制なのかな?これは。

「!?大丈夫ですか!?」

「おい!平気か那奈!!」

二人が心配してくれる。

にしても、ユリナちゃんは本当に華奢な体だな。私が被さって覆えるぐらいなんだ。

「…ん。まぁ大丈夫かな……イテッ」

「!?けがしてるだろ!」

「…あと足を痛めたぐらい。他はあんまり目立った傷はないけど…」

「………ごめんなさい!私が早く気づいてたら…」

ユリナちゃんは泣きそうだ。

「……けがは?」

「ありません。那奈さんが守ってくれたから…」

「よかった。道具をちゃんと片付けてなかったからこうなったんだ。ユリナちゃんが謝ることない。」

「……はい。」


「なんだぁ!?今の音は!?」

光樹だ。

来んのおっそ。

秀が今あったことを光樹に説明してくれた。

「!!まじか!?那奈大丈夫か?保健室に送る!」


「え!?いいよ!だいじょ……っだぁ!?」



光樹がお姫さまだっこしてくれる。


「一応だ!!」

「ギャァー!おろしてー!」


ちょっと秀がやってくれることを期待したのに!





保健室で手当してもらい、四人で廊下を歩いていた。

「…………那奈さん。」

「ん?なに?」


「あ、……あの………」

「?」


「っ、つきあってください!」


「……………………………………は?」


「お願いです!私、那奈さんがすごくかっこよくて好きになっちゃいました!だから…だから…」


「待って。私は女なんだけど…」

「へ?うそ。だって………」


『ペタペタ』


「胸ないですよ?」

ユリナちゃんが確かめるように私の胸をさわる。

「あ!でも、もし女の子でも大丈夫ですよ!私は一応男なんで………………………」


『プチッ』

私のなかのなにかが切れた。


「……こんの…バカ野郎がぁーーー!!!」


「!!??」


私の平手打ちの音が響いた。

あぁ、また保健室にもどらないと…


「…まぁこれは仕方ないな」

「……………………………うん。」

二人とも顔が赤い。

私だってそうだ。胸をさわられまな板だと言われ、そしてさわったのが男だと。









待てよ?




……


男ぉ!!!????
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