諦めたけど好きです
片思いは再び
どうしたのだろう。

私はお祭りで秀から告白された。

私はもちろんOKした。

どうしたの?秀?なんでそんな顔してるの?

私に告白したのは、秀だよ?

なのになんで………そんな………………申し訳なさそうな顔してるの?



秀は少し戸惑いながら、口を開いた。
「…あのな、実は………」
「………?」

「……テッテレ~~~!!」
「!?」
横から、クラスの男子たちが飛び出してきた。
「はぁ~い!ドッキリ大成~~功!!」


「…………は?」

(………ドッキ…………リ?)


クラスの男子たちがペラペラ喋りだした。
「いやー、実はさっき王様ゲームをしててさぁー。
それで~ちょうど秀が言うこと聞く感じになったから~
お前に告白して返事聞いてこい。ってな感じよ!!」
得意気に話を進める。
「いやー、まさか那奈がまだお前を好きだなんてなぁー。ビックリよ。」
バンバン秀の背中を男子たちが叩く。
「えっと……俺……」
秀は、何か喋ろうと必死だ。


「へぇ~」
男子たちがこちらを向く。
「…なるほど、ドッキリだったんだ。」
だよね………

1人の男子がニヤニヤしながら、こっちに向かってくる。
「そーなんだよ。お前も良い顔して『もちろん!』何て言うからさ~だからっ…」

本当に私は女の子じゃないみたい。

私の平手打ちで前にいた男子が真横にぶっ飛んだ。

みんな口を閉ざして、シーンとなる。

「ふー」

ため息がこぼれる。

(あぁ、なんかなぁー。私、こう言うのばっかだなぁー。普通に好きになって、告白して、失恋っていう流れにはならないのかなぁー……)

私は、男子たちに笑顔向けた。
「良かったね。ドッキリが成功して。私はなにも知らないでバカみたいに答えて。
面白かった?人の恋をもてあそんで、ニヤニヤして。
そりゃ、面白いよね。告白を目の前で見れるんだもん。
性格が悪いやつに取って最高だよね。」

あぁ、堰が切れて止まらない。

「笑えばいいじゃん。大笑いしたら?人の惨めな気持ちをそうやって、笑い物にすればいいじゃん。」

涙がこぼれた。

気持ちも溢れてる。

もう、めちゃくちゃ。


「ありがとね!こんな私に告白体験させてくれて!
たぶん一生に一度だろうね。バカみたいだったでしょ?1人だけ喜んでて。」

私は涙をふき、満面の笑みで男子たちに言う。

「じゃあね、くず野郎共。」




家に帰ると私はまたあの日みたいに、布団に顔を埋めた。
「…………はぁ~」
(明日………学校行きたくないな…)
「………………………………………………………………………………………………。」


『ピロリン!』

「…………?」
携帯が鳴った。

「なんだ、メールか。」

後で見ようと思い、携帯を置こうとした瞬間凍りついた。

メールは秀が送ってきていた。


震える手でメールを開いた。


文字数はたった3文字。



『 ごめん 』





「!!………」



携帯を投げかけた。


「……っどうして…」

また涙がこぼれてくる。


「どうしてっ!秀が謝るのっ!?秀が謝ったら誰にこの怒りをぶつければいいのっ!?」


苦しい。悲しい。逃げたい。叫びたい。泣きたい。
怖い。死にたい。ダメ。イヤだ。壊れる。



「秀はいつまで!私を泣かせるの!?……どこまで…」

自分の気持ちがわからない。



「うわぁーーーーーーー!!」


大声で泣いた。


ずっと、涙が枯れるまで泣いた。
脳裏に、秀の顔と男子たちにの顔がフラッシュバックしてまた泣いた。


泣いたってなにも変わらないのに。誰かが助けてくれるわけでもない。秀が自分を好きになってくれるわけでもない。
でも、すぐに涙が溢れてくる。



私は、こんなに他人の事で涙するのは初めてだ。
わかった。
あなたのことが大好きだ。諦めた気でいたけど、まだこんなに好きだった。


好き。



大好き。



でも、もう自分の思いは秀は知っている。
せめて、自分から伝えたかったけど。
でも今やっても無意味。
あなたが振り向いてくれるのは、絶対にあり得ない。



好きって認めるだけでこんなに辛いなんて知らなかった。








「嫌いになるまで好きだから………」


そして私は携帯を見つめ、メールを開いた。






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