隠れ蓑〜偽り恋人・真実の愛〜
真実の過去

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光さんはその日から毎日、仕事終わりに迎え来てくれ光さんの家へ行って、2人で食事をして帰るという日々を送るようになった。

料理は交互に作って、光さんが料理をしている時には部屋中のデザイン画を眺めて過ごした。




その夜のひと時は、とても穏やかな時間で辛い日常の中で小さな癒しの時間でもあった。








圭くんが出張に出かけて1週間が過ぎた時だった。

いつものように仕事が終わり、少し遅い時間に更衣室に入って自分のロッカーに近づくと人の気配がした。



恐る恐る顔を上げると目を釣り上げ、私のロッカーに寄りかかっている莉子ちゃんのと目が合った。










「莉子ちゃん、、、。」

「久しぶり。随分と逃げ回ってくれたよね。今日という今日は絶対に逃がさないから覚悟しておいて。着替えたら裏口に来て。、、、待ってるから。」




そう言うと更衣室から出て行ってしまった。

庶務課の退社時間から何時間も経っているのに、私を待ってこんな時間まで、、、?


しかも昨日までは莉子ちゃんの姿を見なかった所を考えると今日インフルエンザが治って久しぶりに出勤したんだろう。

病み上がりでキツイ筈なのに、私の事を思ってあんなに怒ってくれた。



不謹慎だと分かっているけど、その優しさが嬉しくて涙が溢れた。


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