禁断の恋、する?
第一章
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4月。
桜の花が舞い、柔らかい風が頬を撫でる。
「……憂!」
あたしに気づいて駆けてくる幼なじみのパリッとした新品のスカートの裾が、ふんわりと翻る。
「捜したんだよ! 憂、すぐいなくなっちゃうんだから……」
「ごめんね、つい色々と見てみたくなっちゃって……」
そう言うと、幼なじみ……高嶺姫花は、にっこりと笑ってあたしの手を握った。
「高校生になってもよろしくね、憂!」
「もちろん。本当……同じ高校に受かってよかった」
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